高層のベランダに鯉泳ぐ 天まで届けと幸願う

 うりずんの季節がやってきました。新緑に萌えていたヤンバルの山々はすっかり夏色になり、白い花々が目立ちます。大自然も衣替えの季節、月桃の花、イジュの花、クチナシの花、初夏に咲く白い花々の香りが山を包んでいました。

 競うように、街路樹のデイゴの花も今年は大枝を埋めつくすように咲きました。強烈すぎるほどの朱色が色鮮やかで目を引きます。県花ですが、ここ数年害虫の発生でなかなかお目にかかれなかっただけにハッとして立ち止まってしまいました。

 デイゴの花が満開に咲き誇る年には台風が多い?という言い伝えもあり、台風災害は避けたい複雑な心境でデイゴを眺めたものです。

 さて、なんくる家も連休明けの親子の訪問を心待ちにしているところです。4月のなんくる家は第4波といわれているコロナの影響でか静かな日々でした。

 子育て中の皆さんにとっては、外出するというリスクは大きいことを肌で感じたものです。

「不要不急の外出をしない」という社会的な呼びかけが、しっかりと心にしみ入っているのだと思います。

 子育て中は不要不急なんて図れるものではないことは以前にも書きました。が、子育て中の親の心をそのことばで縛っている呪文効果が心配なのです。

 子どもにとっても環境の変化が大切です。多くの子は外出が大好きです。なぜか、それはいつもと違う変化に富んだ環境があるからです。

でも、いまは、それが叶わない現実が長く続いています。きっと親子共々大変な時間もあるだろうと推察できるだけに「待つ」だけでいいのかなーとため息が出るのです

 「不要不急」を掘り下げてみました。

 食べることは不要ではなく必要なこと。子どもが生きる上で家以外の場があることは、不要ではなく必要なこと。子どもにとって親以外の人がいる環境は必要なこと。動き回る環境は?必要なこと。子どもにとっての遊ぶことは生きることです。

 親にとっても誰かとつながる環境は必要なことです。親の心に不安を宿さないために、家以外の居場所を見つけることは大切なことだと考えています。

 夜泣きが激しくて泣き止まない我が子に苛立つこともあるでしょう。なんくる家でゆったりと過ごしてください。密を避けて外遊び・・・。時には皆で公園に・・。

 梅雨に入りました。雨の滴を一緒に数えましょう。待っています。           園長・石川キヨ子