慶良間の海の秋夕焼け 炭火おこして 秋刀魚焼く 

     

 ヤンバルからの「運動会ミカン」の香りが届く10月になりました。私の記憶の中にある青切りミカンは遠い昔の運動会の記憶を呼び起こすものです。同時に遠い昔の風景さえも映像化されます。味覚は記憶を呼び覚ますものなのだと改めて思う日々です。

 やっと、長く閉ざされていた私たちの暮らしも、5カ月ぶりに緊急事態宣言が明け少しは楽になりました。こんなに長期にわたって外出の制限が続くとはだれもが予測していなかった事態でした。

 マスク着用や3密を避ける生活からはまだ解放されませんが、ひとまず、暮らしの中ではホッと一息できそうです。人間は本来朝になれば朝日を浴びて身体の細胞が目を覚まし、活動開始の合図を自然界から頂きます。

 夜、太陽が沈めば、身体に休憩時間になった事を体内時計が感知し心身の活動をゆるめる体制に入ります。太陽と月が交代するように、活動と休息のリズムが整います。乳幼児は特にその体内リズムを育てる大切な日々です。

 子どもたちは外に出るのが大好きなのは自然界の摂理です。ですから、外の好きな子どもを家の中に閉じ込めなければならないコロナ禍の不要不急は親子にとって精神的な負担が大きかった事でしょう。本当にご苦労さまでした。

 大人だってストレスで「不眠症になった」「うつ」などの症状に苦しんでいる人が増えているとも聞きました。これからは少しずつ外出も、人に会う事も飲食も買い物も、解禁されます。

 その目の前の自由さを上手に受け入れ、柔軟に心を解放し、少しでも暮らしやすい日々を取り戻して欲しいと心から思います。

さて、なんくる家の活動も、こんなときこそ支援を待っている人がいるはずなのにと、担当者たちはやれる事を色々試しながら、心の支えになれる道を探しました。

その中でも「リモートで遊ぼう」も定着し好評のようです。水曜日・金曜日は、パソコンまたは携帯の画面の前で親子の手遊びやわらべ歌遊びなどで、気軽に楽しい時間を共有できているようです。

 思い返せば、今年の夏は海で泳ぐ事もなく、秋風のささやきを聞く季節になりました。

秋の夜長にちょっとした一人の時間が取れたらいいですね~。  園長石川キヨ子